現在男性で9年、女性で12年・・・これは何の数字かと言いますと人の寿命が尽きるまでの何らかの介護を要する期間を指しています。限りなく被介護期間をゼロに近づけていく。健康寿命を保ったまま80歳半ばを過ぎたある日の朝、目覚めることなく永遠の眠りについている・・・こんな最期が自身の理想の死に方と私は考えている。

老化のメカニズムは解明されていないが1つ確かなことは歳と共に血の巡りが悪くなり末梢循環障害が生じる。これは血管の劣化から生じた結果と言われる。劣化は完全には止められないがその進行を如何にして遅らせるかが健康寿命を維持していく秘訣とも言える。血管の劣化の起因として「血圧」と「血液中の脂質」が大きなウエイトを占めている。高血圧症はサイレントキラーと言われるように無症状のまま血管の劣化を生じさせ、ある日突然血管が破れるか詰まるかで死に至たらしめる。高血圧状態を放置すると血管壁に余分な負荷がかかって劣化すなわり硬化が進み血管壁が脆くなり、内腔が狭くなる。一方で「血液中の脂質」の脂質すなわち中性脂肪やコレステロール、とりわけ悪玉コレステロールと言われるLDLコレステロールが高値のままであると血管壁に染み込んで血管の劣化につながり高血圧の時と同様な変化が生じる。現在、人は癌死が3人に1人、血管死(脳卒中や心筋梗塞など)が4人に1人と言われている。「管年齢」を意識して血管へのいたわった日頃の健康管理は健やかな老後を迎えるためには必須とも言えるでしょう。

ちなみに 一人の人のすべての血管をつなぎ合わせるとどれくらいの長さになるか・・・約10万Km なんと地球2周強の長さとなり、面積にするとテニスコート6面分にもなる。通常イメージといてある血管の大小の動脈や静脈を合わせてもせいぜい10数メートルに過ぎない。ほとんどがミクロン単位の毛細血管の存在によってこれらの膨大な数字が形成されている。その膨大さゆえに管としての血管の健康への影響は大きいと言えるでしょう。さらに一人の人間の細胞数は個人差はあるも40兆個とも100兆個ともいわれるがそのほとんどの細胞が毛細血管から酸素と栄養の補給を受けている。加齢に伴うからだの変化は末梢循環の障害からから来ているところもある。いずれにしても血圧や脂質は数値として把握されうる訳ですから自身の数値を知った上で異常値であれば医師の指示に従って「管年齢」を維持すべく是正することをお勧めする。次回「腸管編」に続く