1950年代に初めて抗精神病薬クロールプロマジンが合成されたことを精神科薬物治療の最初のパラダイムシフトとするならば、その後の様々な向精神薬が開発されてもパラダイムシフトと言われる程の画期的な薬物(exこころの病が根底から寛解する等・・・)が開発された訳ではない。今後もそのような革新的な薬物開発の可能性すらも耳に入って来ない。最近の医学領域において薬物治療でのパラダイムシフトと言えるものと言えば、やはりC型肝炎の薬物治療が挙げられるでしょう。経口の直接作用型抗ウイルス剤DDAによる治療によりC型肝炎ウイルスが天然痘ウイルスのように撲滅できる可能性が出てきたのですから~しかもほとんど副作用がない・・・多くのC型慢性肝炎の方への恩恵はどれほどか大きいことでしょう!20年ほど前にハッピードラッグとしてマスコミを賑わして世に出た抗うつ剤SSRIに対しても今となっては過剰な期待を抱かされた失望感に近い思いをしたのは私だけでしょうか? ちなみに経口抗ウイルス剤DDAの治療薬剤費12週間経口投与で6,730,000円余り・・・・命との引き換えであるなら決して高額とは言えないでしょう。(ちなみに公費助成制度により患者さんの負担は12週間で3万~6万円)