大阪 天王寺 医療法人 平山クリニック

物忘れ外来(認知症)

物忘れ外来(認知症)ってどんな病気?

「認知症」は誰でも1度は聞いたことのある病気です。
認知症にまつわる悲惨な事件をニュースや新聞などで目にする機会も多々あります。認知症というのは決して他人事ではありません。

認知症は、正常であった記憶や思考などの能力が脳の病気や障害の為に低下していく障害です。認知症にはいくつかの種類があります。いちばん多いのがアルツハイマー型認知症で、男性より女性で多く見られます。脳の神経細胞が変性して脳の一部が萎縮していく過程でおきる認知症です。


次いで多いのが脳梗塞や脳出血などの脳血管障害による脳血管性認知症で、男性により多く見られますす。かつて日本では、脳血管性認知症が多かったのですが、このタイプは減ってきています。他には前頭側頭型認知症や最近ではレビー小体型認知症も注目されています。また、アルツハイマー型に血管性認知症が合併している患者さんも多くみられます。

85歳以上は4人に1人が認知症に

歳をとるほど、認知症になりやすくなります。 65歳以上70歳未満の有病率は1.5%、85歳では27%に達します。現在、日本における65歳以上の認知症を患っている人は、軽度認知障害も含めますとすでに500万を超えているという推計もあります。さらに団塊世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年には、糖尿病の有病率がこのまま増加すると仮定した場合に700万人を超すと推定されています。高齢社会の日本では認知症が今後ますます重要な問題になることは明らかです

若年性認知症もある

若くても、脳血管障害や若年性アルツハイマー病の為に認知症を発症することがあります。65歳未満で発症した認知症を若年性認知症といいます。若年性認知症の患者数は、「若年性認知症の実態と対応の基盤整備に関する研究」(主任研究者 筑波大学大学院人間総合科学研究科 朝田隆教授)によると、3.78万人と推計されています。

正常でもない、認知症でもない、軽度認知障害で早期発見・早期治療を

認知症ほどではないけれど、正常な「もの忘れ」よりも記憶などの能力が低下している「軽度認知障害」が最近注目されています。軽度認知障害のすべてが認知症になるわけではありませんが、この段階から治療を開始することで、認知症の進行を遅らせるなどの効果が期待されています。
認知症ではなさそうだと思っても、もの忘れの程度がほかの同年齢の人に比べてやや強いと感じたら、念のために専門医を受診することが早期発見・早期治療につながることになります。

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正常な「もの忘れ」とそうでない「もの忘れ」の違い

もの忘れには、正常なものと認知症をうたがえるものがあります。正常なもの忘れと認知症によるもの忘れの違いの区別ができればよいのですが、現実にはなかなか難しいものです。 これが全てではありませんが、認知症に気づくためには、次のような目安が役立ちます。

  • もの忘れの為に日常生活に支障をきたしているか

日常生活で重要ではないこと(タレントの名前や昔読んだ本の題名など)を思い出せないのは正常の範囲内ですが、仕事の約束や毎日通っている道で迷うなどの場合は認知症のサインかもしれません。

  • 本人が忘れっぽくなったことを自覚しているか

自分でもの忘れの自覚がある場合は正常の範囲内ですが、もの忘れをしていることに気づかず、話の中でつじつまを合わせようとするようになるのは認知症のサインかもしれません。

  • もの忘れの範囲は全体か

経験の一部を忘れるのは正常の範囲内ですが、経験したそのものすべてを忘れるのは認知症のサインかもしれません。

記憶・学習能力などにみられるサイン
  正常なもの忘れ 認知症によるもの忘れ
もの忘れの範囲 出来事などの一部を忘れる
(例:何を食べたか思い出せない)
出来事などのすべてを忘れる
(例:食べたことそのものを忘れる)
自覚 もの忘れに気づき、思い出そうとする もの忘れに気づかない
学習能力 新しいことを覚えることができる 新しいことを覚えられない
日常生活 あまり支障がない 支障をきたす
幻想・妄想 ない 起こることがある
人格 変化はない 変化する(暴言や暴力をふるうようになる、怒りやすい、何事にも無関心になるなど)

朝田隆著:「家族が認知症と診断されたら読む本」日東書院p.33より改変

軽度認知障害のサイン・症状

認知症のサインまではいかなくても、少しだけ正常のもの忘れが強いと感じたら、軽度認知障害の可能性も考えられます。 軽度認知障害の特徴としては、下記の4つが挙げられます。

  • ほかの同年代の人に比べて、もの忘れの程度が強い
  • もの忘れが多いという自覚がある
  • 日常生活にはそれほど大きな支障はきたしていない
  • もの忘れがなくても、認知機能の障害が1つある

この場合の認知機能とは、失語・失認・失行・実行機能のことです。

  • 失語:言葉の障害(言葉が理解できない、言おうとした言葉を言うことができないなど
  • 失認:対象を正しく認識できない:知り合いの顔、色、大小などを認識できないなど
  • 失行:くわえたタバコにライターの火をつけられない、服を着ることができない、茶葉とお湯と急須を使ってお茶を入れることができないなど
  • 実行機能の障害:計画をたててその計画通りに実行していくなどができない

同世代と比べてもの忘れの程度が強く、こうした認知機能にも障害があると感じられたら、軽度認知障害のサインかもしれません。

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根治療法はまだ

認知症を完全に治す治療法はまだありません。そこでできるだけ症状を軽くして、進行の速度を遅らせることが現在の治療目的となります。

治療法には薬物療法と非薬物療法があります。このうち薬物療法は、アルツハイマー病の中核症状の進行をある程度抑える効果が期待される薬がこの数年で相次いで発売され、現在は4種類の抗認知症薬があり、剤型も豊富で錠剤、水薬、ゼリー、貼薬などがあります。血管性認知症に直接的に効果がある薬剤は今のところ存在しませんが、脳卒中の再発防止や生活習慣病の治療が重要です。従って、非薬物療法によって症状を抑えることが主な治療法となります。


症状を軽くする

認知症の症状は障害の中核となる記憶などの認知機能障害と、かつて辺縁症状(周辺症状)と呼ばれた行動心理症状(BPSD)に大別できます。行動心理症状には、不安・焦り・睡眠障害・徘徊・家族への依存・暴力および、せん妄などがあてはまります。

中核症状への治療

アルツハイマー病では、上述した抗認知症薬による中核症状の一時的な改善効果が認められています。この効果は一時的で、進行を完全に抑えるものではありません。進行を遅らせるだけですので、できるだけ早くから治療を開始して、少しでも軽症の段階にとどめるようにすることが大切です。


将来への期待

アルツハイマー病は脳内にアミロイドβという物質が蓄積して、それが神経細胞の変性に関係すると考えられています。そこで、アミロイドβを蓄積させない治療法を開発しようと、世界中の研究者がしのぎを削っています。
アミロイドβの蓄積を阻害する安全な薬が開発されれば、アルツハイマー病はそれ以上の神経変性を起こさなくなると考えられています。そうなれば、認知症の進行が完全にストップする可能性もあります。ただし、一度変性し、消滅した神経細胞は再生しないので、進行した認知症では失われた機能を回復することは難しいという問題が残ります。その意味でも早期発見・早期治療は今後ますます重要になってくると考えられます。


早期発見・早期治療で認知症を回避

アミロイドβの蓄積を阻害する薬が現実になりつつある今、認知症の早期発見・早期治療が今まで以上に重要になってきています。軽度認知障害の多くはアルツハイマー病になる前の段階であると考えられていることから、この段階で治療を開始すれば、認知症になることを防ぐことも将来的に可能になると考えられます。
現在の軽度認知障害の治療は、認知症の予防に効果がある生活環境をとりいれ、高血圧や糖尿病、脂質異常症などを治療し、必要に応じて病状に相応しい抗認知症薬を選択して服用するという内容で行います。

 

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出典:厚生労働省http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_recog.html認知症動向加工して作成

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