適応障害ってどんな病気?
適応障害は昨今ではよく聞く病名ですが具体的な症状のことはあまり知られていません。なんとなく、うつ病を想像してしまいがちですが、適応障害とうつ病は明らかに違います。
たとえばうつ病の場合なににも興味をなくし、たとえ環境が変わっても気分は晴れず、持続的に憂うつな気分は続き、なにも楽しめなくなります。
適応障害はストレスとなる状況や出来事がはっきりしているので、その原因から離れると、症状は次第に改善します。また、ある人にはストレスに感じることがほかの人はそうでなかったりと、個人のストレスに対する感じ方や耐性も大きな影響を及ぼします。つまり適応障害とは、ある生活の変化や出来事がその人にとって重荷となっている場合に、普段の生活や仕事に支障をきたすほどの抑うつ気分、不安や心配が強くなります。
適応障害とは、その人にとってとてもつらく耐えがたく感じる特定の状況や出来事に置かれた時に症状があらわれるものです。たとえば憂うつな気分や不安感が強くなるため、涙もろくなったり、過剰に心配したり、神経が過敏になったりします。
情緒面にあらわれる症状
抑うつ気分、不安、怒り、焦りや緊張などや、自分の置かれている状況で、何かを計画したり続けることができないと感じることもあるでしょう。
行動面にあらわれる症状
行きすぎた飲酒や暴食、無断欠席、無謀な運転やけんかなど自暴自棄になったり攻撃的な行動がみられたりすることもあります。 適応障害はその人が感じているストレスから離れると症状が改善することが多くみられます。
たとえば仕事上の問題にストレスを感じてる場合、勤務する日は憂うつで不安も強く、緊張して手が震えたり、めまいがしたり、汗をかいたりするかもしれません
しかし適応障害はうつ病とは違い仕事が休みの日などはストレスから開放される場合も多く趣味などを楽しむこともできます。
ですがストレスの原因とどうしても離れられない場合(たとえばストレスが家庭や職場に問題ある)などは症状が慢性的になり、うつ病などを発症します。
適応障害はストレスから離れると元気に遊びに行けたりもします。そのために他人に誤解を受けやすく「ほんとうに病気なの」と思われがちですが本人にとってはつらく苦しい症状です。
適応障害の治療法としては、まず「ストレスの原因となってるもを取り除く」があります。
取り除くといってもそれが簡単に回避できるものならばいいのですが(たとえば暴力をふるう恋人から離れるために、ほかの人に助けを求めるなど)しかし家族のように動かせないもの、離れるのがむずかしいものもあります。
ストレスをストレスと感じる人とそうでない人もいるように、ストレス耐性は人それぞれ異なります。まず治療はここにアプローチすることになります。「ストレスの原因に対しての本人の適応力を高める」方法です。さらに「情緒面や行動面での症状に対してアプローチ」することもあります。ストレスの原因に対して本人はどのように受け止めているかを考えていくと、その人の受け止め方にパターンがあることが多くみられます。このパターンに対してアプローチしていくのに精神療法や認知行動療法などがあります。それにあわせて投薬治療も行うこともあります。
適応障害は基本的には治療を受ける患者さまが主体的に取り組むことが大切です。
適応障害の治療は薬物療法だけではうまくいかないことがあり、環境調整が重要で場合によっては心理カウンセリングが必要になります。適応障害を甘くみて適切な治療を行わない場合にはうつ病の併発も生じることを重ねて強調しておきます。
出典:厚生労働省出典:http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_adjustment.html適応障害動向加工して作成