発達障害ってどんな病気?
発達障害は、生まれつき脳の発達が通常と違っているために、幼児のうちから症状が現れ、通常の育児ではうまくいかないことがあります。成長するにつれ、自分自身のもつ不得手な部分に気づき、生きにくさを感じることがあるかもしれません。
ですが、発達障害は「先天的なハンディキャップ」ではなく、「一生発達しない」のでもありません。発達の仕方が通常の子どもと異なっていますが、支援のあり方によって、それがハンディキャップとなるのかどうかが決まるといえます。
人は、家庭環境や教育環境など、様々な外的要因に影響を受けながら一生を通して発達していく存在であり、発達障害の人も同様です。つまり、発達障害の人にも成長とともに改善されていく課題が多くあります。幼い頃には配慮が受けられず困難な環境の中で成長してきた発達障害の人も、周囲からの理解と適切なサポートが得られれば、ライフステージのどの時点にあっても改善への道は見つかるでしょう。
「発達障害」とは
生まれつきの特性で、「病気」とは異なります
発達障害はいくつかのタイプに分類されており、自閉スペクトラム症(自閉症、アスペルガー症候群などの広汎性発達障害)注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害、チック障害などが含まれます。
これらは、生まれつき脳の一部の機能に障害があるという点が共通しています。同じ人に、いくつかのタイプの発達障害があることも珍しくなく、そのため、同じ障害がある人同士でもまったく似ていないように見えることがあります。個人差がとても大きいという点が、「発達障害」の特徴といえるかもしれません。平成16年に施行された発達障害者支援法により、これまで福祉の谷間に取り残されていた発達障害者に対して福祉的援助がなされるようになりました。当院に通院されている発達障害の方も精神障がい者保健福祉手帳、通院公費負担制度、障害年金などの利用が行われています。
治療としては発達障害そのものを直接治療する手立ては現在の医学では不可能としても、日頃の日常社会生活の中で生じる二次障害つまり適応障害や不安抑うつ状態に対して治療が行われます。ただしADHDに対してのみ適応となる薬物があり、当院でもストラテラやコンサータという2種類の薬物療法を行っています。
出典:厚生労働省http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_develop.html発達障害動向加工して作成