この2~3年の自分を振り返ってみると 情けないことに頸椎ヘルニア再発、変形性膝関節症、変形性腰椎症、さらに直近ではテニス肘にも見舞われて、整形外科医やペインクリニシャン(麻酔科医)のお世話になりっ放しであります。健康のためにと2年ほど前から始めた週に1回のテニスレッスン・・・大学では硬式テニス部であったものの36年ぶりにラケット握って、身体を鍛えなぁ~の矢先にロコモティブ・シンドロームに悩まされている(´・ω・`)。皮肉なことに・・・・老年期に入ろうしている中で、その人の幸不幸に直結することに、自分の足で自由に動けることすなわち移動能力が保っていること。それと食べる楽しみのウエイトが歳ごとに増してくる中で、自分の歯で食べ物が咀嚼でき、味わえることであろう。その内の移動能力に直接関係しているロコモティブ・シンドロームについて、以下の内容は 日本臨床整形外科学会からのホームページから引用したものです。「メタボ」や「ロコモ」をもじったサプリメントも出回っている時代でもあります。十分に「ロコモティブ・シンドローム」に関することを知識として身に着けておきましょう。

ロコモとは
 運動器症候群:ロコモティブシンドロームの略です。

ロコモの原因
 「運動器の障害」の原因には、大きく分けて、「運動器自体の疾患」と、「加齢による運動器機能不全」があります。
1)運動器自体の疾患(筋骨格運動器系)
 加齢に伴う、様々な運動器疾患。たとえば変形性関節症、骨粗鬆症に伴う円背、易骨折性、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症など。あるいは関節リウマチなどでは、痛み、関節可動域制限、筋力低下、麻痺、骨折、痙性などにより、バランス能力、体力、移動能力の低下をきたします。
2)加齢による運動器機能不全
 加齢により、身体機能は衰えます。筋力低下、持久力低下、反応時間延長、運動速度の低下、巧緻性低下、深部感覚低下、バランス能力低下などがあげられます。「閉じこもり」などで、運動不足になると、これらの「筋力」や「バランス能力の低下」などと、あいまり、「運動機能の低下」が起こり、容易に転倒しやすくなります。 

ロコモは国民病です。
 変形性関節症と、骨粗鬆症に限っても、推計患者数は4700万人(男性2100万人、女性2600万人)とされています。ロコモはまさしく国民病といってよいでしょう。吉村典子2009年

ロコモは、「ねたきり」や「要介護」の主要な原因です。
 ロコモは、「メタボ」や「認知症」と並び、「健康寿命の短縮」、「ねたきりや要介護状態」の3大要因のひとつになっています。
 ご高齢の方は、これらの「加齢」や「運動不足」に伴う、「身体機能の低下」や、「運動器疾患」による痛みや、易骨折性(軽微な外傷による骨折)など、多様な要因があいまって、いわば「負の連鎖」により、バランス能力、体力、移動能力の低下をきたし、ついには、立って歩く、衣服の着脱や、トイレなど、最低限の日常生活動作(ADL)さえも、自立して行えなくなり、「健康寿命の短縮」、閉じこもり、廃用症候群や、寝たきりなどの「要介護状態」になっていきます。


メタボとロコモ
 メタボ:メタボリックシンドロームは、心臓や脳血管などの「内臓の病気」で「健康寿命」が短くなったり「要介護状態」になるのに対し、ロコモ:ロコモティブシンドロームでは、「運動器の障害」が原因でおこります。「ロコモ」と「メタボ」や「認知症」を、合併する方も多いという報告もあります(吉村典子2009年)。高齢者のtotal healthの観点からは、幅広い対応策が必要です。年を取って、寝たきりや、認知症になって、要介護となることはできるだけ避けたいものです。これらの「健康寿命の延伸」、「生活機能低下の防止」には、予防、早期発見・早期治療が重要です。