精神科医として35年目に入り、これからの時期、毎年毎回痛感させられることがある。春先や秋口になると安定いていた患者さんの調子がパタパタと崩れる。

その大きな原因は気候にあるとは今や定説であろう。秋口は移動性高気圧、秋雨前線など天気の変わりが早くなる。それは気圧の変動や朝晩の気温差(寒暖の揺さぶり)

日照時間の短縮など大自然の営みの中で人間は翻弄される。自律神経がかき乱されて様々な心身の不調として自覚される。気象病ともいわれる。健康な方でも不調を

訴える人が多くなる中でメンタルを患って治療中にある方は単なる不調では済まされなくなる。治療中の元の病態悪化につながるのである。月間の自殺者数をみても

それを反映している。3月と10月に自殺が多くなる。特に10月は毎年最多の自殺者数を示している。この大自然の営みには抵抗できなくても守るすべはなくもない。

朝日をしっかりと浴びて睡眠リズムを乱すことなく、適度な運動や栄養バランスを考えた3度の食事・・・自律神経の乱れを最小限にする。特別な手立ては残念ながら

ない。治療中の方が不調になったら早い目の受診で対応していただきたい。かくいう自分は昼夜の寒暖の揺さぶりで自律神経の乱れから免疫力が低下し、風邪ウイルスの蔓延を許したのか・・・

現在11か月ぶりの風邪をわずらい、本日の医師会ゴルフコンペをキャンセルして明日からの診療に備えている。診る側が病気ではお話にならないでしょうし・・・(^_-)-☆